卒論から始まるBlockchain

卒論から始まるBlockchain

俺の屍を越えて行け

ブロックチェーン関連で卒論を書くという事

はじめに

卒論終わったぜーーーーーーーー!!!!!!!

はい、これが言いたいだけです。気分を悪くされた方はすみません。先日卒論発表も終わり、無事受理される事になりました。もちろんまだまだ卒論描き途中で路頭に迷っている人もいるとは思いますが、そういうのは完全に無視して、開放感に浸りながら幸せオーラ全開で生きています。

さて、本ブログ最初の記事で(本ブログの趣旨とか開設経緯を紹介するよ - 卒論から始まるBlockchain)こんなことを書いてました。

本ブログの趣旨は『Blockchainに興味を持った人が、卒論を書くための前提知識を持てるようにする』になります!(卒論のレベルは適当)

まあこのブログを読んだから卒論が書ける訳ではないですが、今回ブロックチェーン関連(正確にはLightning Network)をテーマに卒論を書きました。そこで実際やってみてどうだったかというのを書きます。これから卒論書こうと思うんだけど、ブロックチェーン関連で書いていいのかな?気をつける事とかある?書いてみてどうだった?みたいな疑問を持っている方の参考になればと思います。もちろん完全な主観ですので、そこは悪しからず。

トピック

  1. 書いた感想
  2. 必ず得なければならないモノ
  3. 肝に命じておく事
  4. 覚悟するべき現実
  5. テーマの決め方
  6. アップデートの恐怖
  7. 相談出来る人を見つけよう
  8. よかった事
  9. おわりに

1. 書いた感想

めんどくさいし大変

すみません。嘘偽りなく述べるとこれしか出ません。ただこの大半は卒論を書く行為が9割を占めています。何かを強制されると途端に面倒でつまらなくなるじゃないですか。それです。もしかしたら「半端ない卒論書いて、業界に一目置かれるようなものを書いてやるぜ!」とかいう方がいたら、現実はそうは行かんぞみたいなのを伝えたかっただけです。書こうとしている時のモチベーションは、自己啓発本読んだ後に湧き出る謎のやる気程度である可能性があるので、理想と現実を乖離させすぎないようしましょう。 という事で次から真面目に話します。

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2. 必ず得なければならないモノ

ブロックチェーン関連で卒論を書く際、必ず得なければならないモノがあります。それは

教授の承諾

です。これなくしては何も進みません。あなたがどれだけ書きたいと願っても、お歳暮を送ってご機嫌をとっても、教授が「わかった、それで書いていいよ」とならなくては何も進みません。なのでまず最初にブロックチェーンを題材に卒論を書いていいか確認しましょう。

ちなみに自分は「ブロックチェーン関連で書こうと思っているんですが良いですか!!??」と言ったら「よくわからないけど、それで書きたいなら書いて良いよ」と怖いぐらいあっさり認めてくれました。

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3. 肝に命じておく事

おそらく教授はブロックチェーンのことは知りません。なのであなたが一から教える必要があります。

これはしっかり肝に命じておきましょう。もちろん中には知っている、もしくは詳しいという方もいらっしゃとは思いますが、日本全国の教授を見たときに、それを専門としている教授はほとんどいないでしょう。つまり、ブロックチェーンを題材に書くということは教授の専門外で書くという事になります。これを許してくれるか、許してくれないかというのは完全に教授次第です。(許してくれるから良い教授という事ではない。あくまでその人の思想の違いだと思います。) また、もし許可が出たとしても"ブロックチェーンとはなんぞや"という事を最初から説明する必要があります。それが出来ないと、永遠に「で、君は何が言いたいの?この研究の目的は何?これで何が解決するの?」というセリフを繰り返されることになります。地獄です。 しかも、頑張って説明しても毎回狐につままれたような顔をされます。あれ?これでも伝わらんの?となります。もちろんそこは自分の実力不足なんですが、やる度に悲しくなります。そういう部分を頑張って超えなければならないという事を肝に命じておきましょう。なのでそういうのが苦手な人はやめた方が良いと思いますので、しっかり自分の胸に手を当てて確かめた上で挑みましょう。

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4. 覚悟するべき現実

無事許可が出たとしたら、自分が決めたテーマに沿って調査、実験、考察などを行いますね。ここで重要なのは「教授の力を借りれない」という事です。理系ならこのプログラム動かないんですがとか、思ったようなデータが取れないんですがとか、文系ならこの考え方はあってますかとかでしょうか。もしかしたら教授に対して殺意に似た感情を持っている方もいるかもしれませんが、教授というのは何かの専門家です。なので普通なら研究で困ったときに適切なアドバイスを得られる可能性がありますが、専門外で書く場合は無理です。実際に自分もソフトが動かなくて困っていたとき、周りは教授に聞いたりして解決していましたが、自分はそれが出来なくて大変でした。さらに文献も揃っていません。ちょっと困ったから参考文献を探して解決!とかありません。自分の研究室はグラフ理論や最適化理論などの研究室であった為、当然ブロックチェーン に関する文献はありません。必要な文献は教授に言えば買ってもらえましたが、他の研究室がどうかは知りません。予算がかつかつな研究室だとさらに大変ないのではないでしょうか。

また研究室内であれば似たような研究をしている人どうしで相談出来ますが、それが出来ない可能性が高いです。自分はたまたま興味を持ってくれている人がいた為、相談できましたがそういう状況にない場合もあるでしょう。 なので「困っても教授や、研究室の書籍はない。頼りになる友達もいない可能性が高い」という現実を覚悟しておいた方が良いです。

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5. テーマの決め方

全ては教授次第です。本末転倒ですが、これが真理だと思います。その上で自分が興味のあるものと絡めてやってみるといいでしょう。気になるプロジェクトを調査して実際にどういう効用が出ているか調べるとか、ソフトを使ってアプリケーションを作りましたとか、分析してみましたとかです。まあ教授の承諾が得られるそれっぽいものにすれば大丈夫だと思います。

6. アップデートの恐怖

この界隈は本当に速いですね。秒進分歩ペースで進んでいるんじゃいかと思うほど速いです。それ自体はとても良いことですが、論文を書くとなると大変です。なぜなら論文に書いていたソフトがアップデートされて、提出する時には動かないということが起こりえるからです。自分は動かないまでは行きませんでしたが、使っていたソフトのGUIが変わって、載せた画像が古くなってしまいました。

また技術仕様も変わると、途中の説明も間違った事になる可能性もあります。書いていて、「あれ、そう言えばなんか新しいプルリクが上がっていた気がするけど、もう実装されたんか?」とかなります。なので、早めに書き終えて提出するだけの状態にするんだ!というコスパの良い人生を送りたい人はやめた方が良いかもしれません。別にこの分野に限った事ではありませんが、書く以上は最低限テーマに関する情報収拾は頻繁に行った方が良いと思います。そういう意味で、苦痛にならない分野、興味を持てるものにした方が良いでしょう。

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7. 相談出来る人を見つけよう

『4. 覚悟するべき現実』で

とにかく「困っても教授や、研究室の書籍はない。頼りになる友達もいない可能性が高い」という現実を覚悟しておいた方が良いです。

と書きましたが、だからこそ相談できる人を見つけておきましょう。思った通りにプログラムが動きませんとか、ここがよくわからないんですがどういう事ですか?などです。自分はたまたま同じ研究室にいた少しブロクチェーンに詳しい友達に助けて貰ったり、インターン先やイベントで知った人に聞いたりしました。ただ「何がわからないかわかっていないんだけど、自分が理解できていないことはわかる」みたいな状況あるじゃないですか。そういう「なんて質問したら良いかわからない」というレベルでも気軽に相談できる人はすごく貴重なので、そういう人を頑張って見つけられると良いと思います。

8. よかった事

ここまでかなり沢山ネガティブな事をいった気がしますが、もちろんよかった事もいっぱいあります。一番は『理解が深まる』でしょう。 何を当然な事をという感じがしますが、侮ってはいけません。この技術の特性上、追うべき情報は多岐に渡ります。気になっているプロジェクトの最新情報やアップデート情報、業界を代表する企業のインタビュー記事や買収の話、思想や将来の業界展望の話、などなど挙げたらきりがありません。そのため、知識としてはどうしても広く浅くなってしまいます。一方論文を書くということは何か専門的な新しい事をするわけです。そうする事で、一つ自分の中で詳しい分野などができるのは一つの自信になりますし、ポジションをとる事もできます。これは普段SNSを眺めて、適当に気になった情報を追いかけるだけでは絶対に無理だろうなという知識が得られます。まあこれを価値あることかと思うかは各個人の自由ですが、個人的にはとても良かったと思っています。

他にもゼロベースで誰かに教える機会が増えるのでブロックチェーンの基礎的部分から復習することができますし、どうすれば理解してもらえるかという事を考える事で、説明に必要なポイントを探すことができます。 そういう意味で研究発表を通して、小さいコミュニティーで、かつ自分しかその知識を持っていないという状況でアウトプットする場があったのはとても幸せでした。

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9. おわりに

ブロクチェーン関連(もしくは暗号通貨関連)で卒論を書きたい人は教授の承諾を得て書こう!でもその場合は教授の力を借りれないと思うから、頑張ってね!!

が結論です。

// そんな事も知らねぇのかよ、って感じで教授に教えるのがオススメです。ちょっとしたストレス発散になります。